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第107回全国高校野球選手権大会 寶馨会長『講評』

講評を行います。

熱戦の続いた今大会、決勝戦も、大変緊迫した素晴らしい試合となりました。

優勝した沖縄尚学高校、おめでとうございました。皆さん、沖縄尚学高校に大きな拍手をお願いいたします!!

そして、準優勝は日大三高でした。こちらにも大きな拍手をお願いいたします!!

沖縄尚学高校は、末吉、新垣という二人の2年生投手を擁し、毎試合少ない失点で、勝ち抜きました。投手力に加えて、守備力もたいへん固く優れたものがありました。攻撃陣は、大会中に打順を組み替えて打線の繋がりを確保することができました。初優勝、おめでとう。

日大三高の選手の皆さん、準優勝おめでとう。エース近藤投手は、打撃でも貢献しました。日大三高は、勝負所をわきまえた試合巧者ぶりを発揮し、チャンスを確実にものにして、準優勝の栄誉に輝きました。

これら2校と戦ったベスト4の2校も素晴らしい戦いぶりでありました。山梨学院は、強力打線で、聖光学院、昨年優勝校の京都国際、岡山学芸館に打ち勝ちました。菰田、檜垣の二人の2年生投手も将来性を感じさせるものでありました。公立校としてベスト4に残った県立岐阜商業は、エース柴田投手をはじめ登板した4人の投手全てが2年生でした。全員野球で次々と強豪校に競り勝ち、とりわけ横浜高校との試合は、記憶に残る好ゲームとなりました。

ベスト8に残った4校、京都国際、関東第一、横浜、東洋大姫路もそれぞれ特徴のある素晴らしいチームでした。

出場した各校選手はもとより、全国の高校野球に携わる生徒諸君が、引き続き野球を愛し、続けていっていただきたいと思います。

応援団、ブラスバンドの皆さんも大変ありがとうございました!!

もう少し、続けさせてください。

今年は、開会式を夕方に行ったり、4試合日に二部制を導入したり、いたしました。酷暑とも言われる暑さへの対策でありました。雨模様の日が何日かあり、気温が相対的に低くなった日、雨の影響で試合終了時間が遅くなった日もありました。雨による67分の中断があったとは言え、試合終了が22時46分となり、両校関係者、試合終了まで観戦された皆様にはご迷惑をおかけしました。

本大会では、中止になった日を含め、雨の影響を受けた日が5日ありました。長い中断もありました。球場が判断よく迅速に内野の全面シートを施していただいたおかげで、グラウンドが水浸しになることを回避でき、残りの第4試合まで完了できた日もありました。

このような球場側の迅速な対応が、大会のスムーズな運営に大きく貢献してもらっていますので、是非ともお伝えしたく存じました。球場関係者の皆様に今一度、感謝の気持ちをお伝えしたいと存じます。ありがとうございました。

最後に日本高校野球連盟会長として、お伝えしたいことがあります。

今回、代表校が大会途中で出場辞退するという事態になり、各方面にご迷惑とご心配をおかけしました。日本高校野球連盟としては、今回の事態をたいへん深刻に受け止めております。このような事態に至った経緯等をしっかり検証し、より適切な対応策について検討してまいります。

日本学生野球憲章は、学生野球を学校教育の一環と位置づけ、その基本原則で、「学生野球は一切の暴力を排除し、いかなる形の差別も認めない」と明言しています。暴力・暴言やいじめは何も生み出しません。改めて全国の指導者、部員のみなさんに強くお伝えしておきます。

高校野球を応援してくださっている全国のみなさん、これからも高校野球を温かく厳しく見守っていただければ幸いです。

今回の107回大会も、幾つもの熱戦が展開され、「これぞ高校野球」という、素晴らしいものとなりました。ありがとうございました。

(令和7年8月23日 日本高等学校野球連盟 会長 寶 馨)

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